模倣犯2
読後感は、憑きものが落ちてスッキリしたけれども、物足りなさが残る、いささか微妙なものだった。
何しろとにかく長い。
長すぎて、途中から明らかに失速している(そのあたり、文庫版の3、4巻でアマゾンのオススメ度が下がっているのもうなずける)。氏の作品は、個々の登場人物の立場や視点、個々の事象をつなぎ合わせて作品が展開していくのが面白くて好きなのだが、今回は、いささか役者が多すぎる。しかも、役者に大立てをやらせすぎ。何だかひどくごたごたして大味な作品だった(この感想は、個人の嗜好の問題でもあるし、これも氏の演出の賜物なのかもしれないが…)。
また、文庫本のカバーに、各巻の内容とは齟齬のある、でも全巻通して展開が解ってしまうほどの要約が付いていたのも興ざめ。
とか何とか文句を言いつつ、休日なんかは、ほぼ徹夜で読んでいた。
まぁ、恋い焦がれて待っていた恋人なのに、実際会ってみたら鼻毛が出ていたりしてちょっとドキドキが冷めた。といった感じ。