山中雪人・水谷愛子 二人展
特別展をみに、市の美術館へ。
おしどり夫婦として、画壇で長く活躍したという山中雪人・水谷愛子両氏の作品が展示されている。
山中氏の絵画の大半は、仏陀と基督をテーマとした宗教画で、絵のスケールに圧倒されつつも、“いいとこどりかい!?”と(不覚にも)思う。が、"ボロブドール”の連作は本当に良かった。
また、描線がはっきりそれと見えない(描線を上からこすってぼかすようにする“こすり”という技法を駆使しているという)仏陀の姿は、まさしく“うつつならぬぞあはれなる”。
絵を見るのは久しぶりだし、何だか安らぐ。
一方の水谷氏の絵は、赤肌の荒々しい人の姿や、深い皺の刻まれた老婆の絵を子どもがひどく怖がり絶叫。
が、“タマたち”という2匹の猫が描かれた絵の前に来ると、“にゃーにゃ、にゃーにゃ”と喜んで立ち尽くし、結局20分近く、猫の絵の前で過ごした。
“タマたち”は氏の絶筆という(子どもが惹かれたのは、単に猫だったからなのでしょうが…)。